鉄心からふたりっきりの時は鉄平呼びされるようになって、それから少しの間平穏な時間が続いて。

ある日、二人でちょっと外にぶらっとでかけるかーってなって、二人で町をぷらぷら歩いていた時の話。
まわりに人は普通にいたけど、同道してるのは二人だけで他に知り合いも誰もいる訳じゃなく
(筆頭家老家だし日向センパイと木吉センパイを一方的に知ってる人はいるだろうけど)
はじめは普通に人前だからって日向センパイも鉄心って呼んでたんだけど、二人でいたってのもあってこう気軽に、
外だけどうっかり木吉センパイの事を日向センパイが鉄平って呼んで、
それに気にもしないで木吉センパイも普通に返事しちゃったりしたりして、凄いその平穏な1日を楽しんでいた二人。

でもついさっきまでにこにこふわふわ日向センパイに笑っていた木吉センパイの顔が突然強ばり、よそよそしく丁寧語とか使い始めて、
日向センパイが驚いて「どうしたんだよ」って声をかけようとしたら、思いっきり木吉センパイにつきとばされ、体勢崩して地べたにつっこんじゃって、
キレ気味で「オマエ突然なにすんだよ」って起き上がりながら言いかけた時、目の前に影が走ったと思ったらその影が木吉センパイに刀向けて覆い被さって、
あっと思った時にはその刀が獲物をしかと捉えた音が聞こえたと。

あまりにも突然すぎたので、日向センパイは一瞬何が起こったのかさっぱりで呆然としたんだけど、
木吉センパイの足下にぽたぽたと滴り落ちる血を見てはっとして木吉センパイを見たら


見た事のないヤツが、木吉センパイを刺している。
でもそいつは木吉センパイとは顔見知りなのか木吉センパイに口だけは親し気に話しかけていて、
木吉センパイもそいつのことを知っているようで。

20110105