※やっぱりお約束ですが、小説ではなくメモです、メモなので、誤字脱字とか言い回しがおかしいとか意味不明な所とか同じことばかり言ってるとか、それも携帯で打ってるので最初のことは忘れてるわで辻褄は合ってないところがあったりありますが、細かいことはスルーしてください。

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03

「けど出来ないことは出来ないから、それだけはわかってくれ」
「それは勿論……オレのわがままを押し通してまでオマエに無理はさせたくない」

オレは今回のことに限らず全般的なこと指して言ったのだが、コイツは今の言葉でオレが木吉とセックスが出来ない、無理、と言ったと受け取ったようだった。
まあ実際その通りなんだが……しかし……

「でもオマエ、せ、セックスするっつったって、なんとなくはやり方とかはオレも知ってるけど、その……あーその、なんだ、所謂、その男役と女役っていうか、その、上になるか下になるか、そういう問題はオマエどう思ってたんだ?」
「え?」

あああ!また単語でつっかえちまった!がもう気にしてらんねえ。
てかつっかえちまったら変に焦ってしどろもどろに近いことになっているが言いたい内容が伝われば問題ない、とか言ってやる。
しかしそこを変につっこまれたらどうしようと言い切った後に表面上は少しの動揺、内心心臓飛び出る位ばくばくさせたが、セックスに乗り気じゃない、無理と遠まわしに言った(と思いこんでる)オレのこの発言に木吉はあっけにとられ、そしてオレの真意をはかりかねるのか、木吉はぽかんとして頭の上に(実際には見えないが)疑問符をいくつも浮かべていて、オレのしどろもどろな所につっこむ気配は全く見られなかった。
それどころか呆けすぎてオレの問いかけに反応がないんだが……恥ずかしくなってくるじゃないかこのやろう。
どうなんだと木吉を促すとコイツは我に返り、指を絡めているオレの手をきゅっと握りしめてきた。

「いや、オレは、オマエに触れて貰えるなら、繋がることが出来るのならどっちでも構わないと思っているぞ。オマエが上がいい、男役がいいっていうならオレは女役になるしオマエが抱かれる方がいいってい「オオオオオオオオオマエ恐ろしいこと言うんじゃねえええ!」

聞いといてなんだが、コイツがおぞましいことを言いかけたので強制終了だ!
オレが抱かれるって……改めてコイツに言葉で言われて想像したら死にたくなった、コイツのこと好きだけどごめんなさいそれだけは本当にムリムリ!
抱かれる方がいいなんて地球がひっくりかえろうが一生思わねえ!
オレが聞いた癖に答えを強制終了させたせいで木吉は訝しんだ表情を見せ、首を傾げた。
急に叫んでワリイと謝りつつ頬に触れている親指で目元を優しくすってやる。
それがくすぐったかったのか、木吉は目を細め肩をすぼめた。オレからするとコイツは断然犬のイメージなのだが、目元をすっている時のこの反応がどこか猫を彷彿させて、かわいいななんてぼんやり思った。

「これだけははっきり言っておく、オマエだからとかじゃなくて例え誰が相手だろうがオレは抱かれたいと思わねえ。だからオレを抱くってのはどうしたって無理だ、諦めてくれ」
「……そうか、分かった」

あっさりとオレに理解をしめしてくれたのはやはり本当に先程のコイツの言葉通り、こだわりはなく、ただオレと繋がりたいだけなのだろう。
けど上でも下でもいい発言を分析している時、ふとこの騒動のきっかけになった木吉の発言を思い出した。
触れたいじゃなくて触れて欲しいとコイツは言った。
ってことは男だから抱くという概念は当然あっただろうが、やはり受け手の考えもあったのかもしれない。
だからそこまでこだわりがない、構わないのか。
でも逆に素直に凄いと思った。
いくら好きでも抱かれる側になってもいいなんてオレには絶対に無理だ。
そんなことを考えて少々オレが黙り込み、それによってすっていた手が止まった時、コイツは細めていた目を完全に閉じ、オレと突き合わせていた顔を下げた。
そのため合わさっていた額は自然と離れてしまったが、それでもコイツの頬においたオレの手の上に重なったコイツの手は離れる気配がなかった。
寧ろ離して欲しくないかのようで、弱々しく、でも必死でせまっているように感じる。
しかしもう諦めようと言い聞かせているのだろうか、下げたことによって目は表情ははっきりとは見えなくなったが、眉間ははっきりと確認出来、その眉間はコイツには珍しく不自然に歪んでいた。
このまま続けると更に歪めてしまうかもしれないとは思ったが言うべきことははっきり言っておかねばならない。
それにさっきの木吉の考えを聞いて決意を固めた。
コイツにあからさまな深呼吸だと思われない様にゆっくり細く、しかし長く深く息をすって吐いてから、コイツの歪んでいる眉間に口付けてやる。
なんだかんだで今日はキスばかりしている気がする。
もう今日だけで今までしたキスの回数を軽く超えているだろう。
そんなことを思いながら唇を離すと完全に不意打ちだったのだろう、思わずコイツが顔を上げた。
でもそれは予想通りの行動でオレそれを見計らって更に口にもキスをしてやった。

「オレはこうやってキスしたいって思う程にはオマエのことは好きだって言えるけど、ワリイ、今の今までオマエのことそういった風に見たことねーんだ」

唇を離してすぐに完全通告をすれば一瞬ピクリとコイツの体がはねた。
上げた顔は下げず、オレの顔を切なげに見ている。
絡め合ったコイツの指はいつの間にか力が抜けていてだらりとしていた。

「だからオマエのして欲しいこともしてやりたいと思うけど、セックスは正直今の段階だと無理だ」
「……ああ」

確実にはっきりとコイツの望みをたっていくと、返事はするものの覇気が完全に感じられない所かどこか虚ろ気だった。
絡め合った指はやはり力なく、ただひっかかっているような状態だ。
……だからこそ言うんだ、決めたんだ……
オレは生唾をゴクリと飲み込んだ。
予想以上にその音がオレの耳に大きく届いて、木吉にも聞こえただろうかと、そう思ったらやけに心臓がバクバクとしてきた。

「けど……」

もう体のあちこちから冷や汗も出てきた、てかもうなんか全身が緊張でブルブル震えてくる。
思わず指を絡めている手を思いっきり掴んでしまって、その強さに木吉が驚いて日向?と心配そうにオレの名前を呼ぶもんだから余計に力んでしまってさらにきつく握ってしまった。

「……ッ!」
「あ!悪い……」

流石に痛さで木吉の顔が歪んだが、逆にそのせいで木吉の意識がはっきりしたのか。
そしてコイツも覚悟を決めたのか。
目がしっかりと定まってきた。

「いや大丈夫だ、気にするな、続けてくれ。けど、なんだ?」

その木吉に促されオレも覚悟を決めた。

「けど、その」
「ああ」
「……触ってやってもいい」
「へ?」

オレがもうこの言葉を必死の思いをして言ったというのに、それに対するコイツの反応、なんだそのアホ面は。
これでもかというくらい目が見開かれ、ぽかんと口も開いていて、頬を思いっきり抓ってやりたくなった(が両手が塞がれていて悔しいが出来ない)
カァっと自分の顔に血が集まる感覚を覚え、体中の熱が脳に一斉攻撃してきて脳がその熱さでぐわんぐわん揺れた。

「あーっもう分かれよこのダアホ!文字通りだよ、セックスにはならねーけどオマエに触ってやるっつってんだよ!」
「!」

半ばヤケクソ気味に怒鳴りつけるように叫んだ。
すると木吉の目は更に大きく見開かれて力が抜けていた絡めている指に力がかすかに戻り、本当に弱々しかったがオレの手を握ってきた。

「本当に、本当にいいのか?」

なんて確認するように聞いてくるものだから、

「いいに決まってんだろ!てか冗談でこんなこと言えっか!」

と激昂してしまった。
しかしこんなオレの剣幕に木吉は怯むどころかじわじわと今のオレの言葉を噛み締めながら喜びを隠せないといった体で見開いていた目をパチパチ瞬きさせながら期待に膨らんだ瞳でオレを見つめてきた。
そして先程までの消沈した顔はどこえやら、喜色満面となり

「すまん、嬉しいよ……」

と気持ちをオレに伝えつつ、うっとりしながらオレの手にすりよった。
セックスじゃないのに、ただ触わるってだけなのに、そんなに嬉しいものなのか?
不思議に思いつつ

「喜んでる所悪いが、これだけははっきりと言っとく。仮に将来もしセックスすることになってもさっき言った通りオレは抱かれるつもりはねえ、もしやるとしてもオレが絶対上ってのは譲らねーからな!」

と言うと、木吉は、「分かった、じゃあオレが女役で行こうなー」なんてなんの躊躇いもなくさらりと言ってのけ、コイツの先程までの弱々しさはもう立ち消え、欲しいと強請ったものを与えられると知った子供のようにニコニコ笑いやがる。
逆にこっちが不安というか心配というか動揺してしまい

「てかそうは言ってもオレ、オマエで勃つとは思えねーし……位置決めた所であまり意味ねー気もするんだけど」

と言わなくていいことまで口走ってしまい、しまったと思った時には全て言い切った後だった。
今のは流石に木吉にとどめをさしてしまった気付き、慌てて今の言葉にフォローをいれようとしたら、木吉は改めて顔を赤らめ、はにかみながら

「構わないぞ、大丈夫だ。オレはオマエに触れて欲しいしセックスしたいと思っているが、一番にオレはただオレと同じ気持ちでいてくれて、そして触れて貰えたら……セックスまでいかなくてもいいんだ、ただ触って貰えるだけでも凄く嬉しい」
「勃つ勃たないはそれはしょうがない、それに好きでいてくれるならオレは満足だ」
「くるかわからないけどもし日向がオレに欲情してくれてオレを抱きたいって思った時、その時があったらオレは喜んでオマエに抱かれるよ」

と立て続けにコイツは幸せそうな顔をしながらこっちがこっぱずかしくなるようなことをつらつら平気な顔して言ってきやがった。 けれどふと眉毛を下げて普段あっけらかんとしているコイツには珍しくもじもじとして、

「だけど多分オレはオマエに触れられたら、触れられただけでも欲情しちまう、絶対に反応しちまう」

それでもいいかと尋ねてきた。


20120423
20120506