※やっぱりお約束ですが、小説ではなくメモです、メモなので、誤字脱字とか言い回しがおかしいとか意味不明な所とか同じことばかり言ってるとか、それも携帯で打ってるので最初のことは忘れてるわで辻褄は合ってないところがあったりありますが、細かいことはスルーしてください。

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04

言われてみたらオレがたたなくてもコイツは勃つかも知れないということは完全に頭からすっぽ抜けていた。
確かにそうだ、オレがコイツに欲情できるかどうかばかり考えていてコイツのことなんか考えてなかった。
コイツはオレに触れて欲しい、セックスしたいと言った上に上とか下とかはおいといても、どっちでもいけると言うことは木吉も言った通りコイツはオレで性的な興奮を得られるということだ。
つまりコイツはオレで勃つということなのだ。
改めてこのことを突きつけられたら正直少し怯んだ。
男同士で一般的な裸の付き合いは普通にしてきている。
バスケバカで同じバスケバカと連んでたから基本バスケの話ばかりだったが、第二次性徴期の頃には毛が生えただの精通はどうだとかの話もしたし、サイズとか皮が剥けたとか色々なシモ話もした。
今ではこう年頃の男子高校生だ、卑猥な話だって当たり前にしている(覗きもしようとした)けど、やった連中もいるらしいがオレは集団でしごきあいをしたりとか、そういうことはしたことがないから(そんな時間があったらその時間をオレは絶対にバスケにまわす)、他人、それも普段顔を突き合わせている友人のモノが性的興奮で勃った所を生でなんてまともにみたことがない。
もっというなれば、イく瞬間なんてみたことがない。
自分のモノならば勃とうがイこうが別に自分のことだし特別なにか思うなんてことはないが他人、それも顔を見知った、否、見知ったところか一応恋人という関係にあるコイツのそんな姿を見るのは……みてはいけないものをみてしまう気がして腰がひけた。
……それでも覚悟を決めた、やると言ったんだ。
やるといっておいて今更やっぱりやめただなんてオレの沽券に関わる。
それにこんなに喜ぶコイツを持ち上げておいてまた叩き落とすなんて出来なかった
第一男に二言はないのだ。

「構わねーよ、そーなっちまうのはしょーがねーだろ」

大丈夫と言えば木吉はほっとして、その後すぐにふんわりとした笑顔を浮かべて、オレの手に縋っていた手を離し、恐る恐るオレの顔へと手をのばしてきた。
壊れ物を触るかのようにオレの頬をそうっと包み込み、顔をゆっくりと近付けてきた。
オレは木吉の行動を凝視していたが木吉は瞼をいつの間にかおろしている。
何をするのかと待ち受けているとコイツはそのまま顔を……唇を本当に触れる程度だったがオレの唇に自分の唇を重ねてきた。
コイツの温度と震えを一瞬感じた程度ですぐに離れていってしまったが、この瞬間オレはこの今のキスが初めてコイツからオレにしたキスだったということに気が付いた。
オレのことをオレより先に好きになったといっていて、セックスしたいと思っていたのに、そう、気付いてみたらコイツからキスをしてきたのはこれがはじめてだ。
キスをしたそうにしてたり、強いることはなかったが軽く強請られたりされたが、言われてみたらなんだかんだで一番のアクションをとっていたのはオレだったと気付く。
というかキスだけじゃない、まさかコイツ……

「なら、オレも、オマエに触れてもいいか……?」

まさかはコイツのこの発言で確信に変わる。
コイツの触れて欲しい発言から今のこの時まででも、基本体に触れたのも全てオレからだ。
思い出せるものを思い出してみても、試合中のタッチ(霧崎第一戦後以降)やみんなのいる前での軽いスキンシップなどではコイツからオレに触ってくることもままあるが、恋人関係になる前も他連中に比べると相当少なかった(まあオレが壁作ってた所もあるし、コイツもそれを察していた所もあるが)、恋人関係になってからは特に顕著に、本当に皆無といっていいほど二人っきりになってもコイツからオレにあからさまに手を延ばしたり、ましてやキスなんてしてきたことがない。
触れていいのか倦ねていて、触れてもしオレに振り払われたらどうしようとか、どうせコイツのことだからそんなことを考えていたんだろう。
しかし、もうここまでくると怒りを通り越して呆れてくる。
そして呆れ果てた先にはなんかもうコイツがいじらしく思えて愛しくなってきた。

「ずっとオマエに触れて欲しかったしオレもオマエに触れたかった」

泣きそうに、でも先程の泣きそうというのとは同義にはならない。
今のコイツは泣きそうな程嬉しそうな表情をしている。
オレの頬を包んでいるコイツの手がそっとオレ撫でる。
その撫で方がやはり動かすと皮膚の表面すら傷付けてしまいそうだからと言わんばかりに優しく丁寧に撫でてきた。
よく冷たい手をしていると心は暖かい、逆に暖かい手をしていると心は冷たいなんていうがコイツの一般人のそれよりもデカい手の暖かさはそのままコイツの心の暖かさなんだろうなとなでなられながらぼんやり思っていると

「こういう関係になる前はオマエに触れちまうとオマエのことを好きだっていう思いが溢れちまって、それがオマエに伝わったらどうしようって、バレる訳にはいかないって思ってたからオマエに触れられなかった。恋人になってからは、ただでさえオマエの体温感じたらそれだけで欲情してどうしようもなくなるのに、自分から触れたらなんて、自分がどうなっちまうか分からなくて触れられなかったんだ」

ん?あれ?
ちょっと待て、オレの想像と食い違いがあるぞ。

「でも、オマエにオレと同じ思いで触れて貰えて、オレがオマエに触れられて、それで反応しちまってもいい、それにオレもオマエにそう言った感情をもって触れてもいいなんて……ヤバい、オレどうしよう嬉しくて顔が緩んじまう」

待て、恋人になる前は問題ないが、今まで触ってこなかったのは単純にオレに欲情しちまうからってことだったのかよ!
……あ、でも欲情しちまっても結局はオレが拒否ったらっていけば同じところにたどり着くか……
そう脳内で答えを出していると木吉はオレの思った通り、欲情してオマエに嫌がられて終わるのが怖かったと最後に付け足した。
しかしコイツは自分の顔が緩むといっているがやはり緩むというより泣きそうなんだが。
そんなに嬉しくて泣きそうになってるコイツを見て、オレは触るはいいけど、どうすればいいのか、どこまでどういう風に触ればいいのか聞くに聞けなくなった。

「改めて言っておくが、本当に触るだけだからな!」
「ああ」

畜生、もうこうなったらやけくそだ。
普段触らないような、例えば腹だったり服の下に隠れてるような所を触って触って触りまくればいい!
オレは触れる、文字通り触れるしかしないと言ったんだ。
それでコイツもいいと言ったんだ、文句は言わせねえ!
……それでもコイツがなるたけ喜んでくれたらいい。
けれどいいとはいったもののやはりコイツの勃つ所、イく瞬間は見る勇気はなく、そこに行く前までできりあげよう、オレはそう決めて木吉にベットに横たわるよう指示をした(今の状態のままコイツがふと後ろに倒れたら頭を壁にぶつけてしまうからだ)
オレの指示に木吉は応じ、お互い頬に持っていた手を一旦離し、しかし絡めあった手はなさず、ゆっくりと体を全てベットの上に上げる。
オレも一緒にコイツとベットに上がる。
そしてオレのベットに窮屈そうに横たわったコイツにオレは跨った。
今までなったことない横たわったコイツを押し倒したような状態で見下ろす体勢に、オレは妙に緊張してゴクリとつばを飲み込んだ。
オレもこれからやることに、ただ触るだけなのに、改めてコイツに触ると思ったら凄くドキドキしてしまっているのだが、オレの下になったコイツはニコニコしながら嬉しそうに真っ赤のままではあるがコイツもオレと同じにドキドキしてるんじゃないかと思う。 期待に胸を膨らましてる所もあると思うが、なんだかんだでコイツも緊張しているんだろう。
指を絡め合っているコイツの手がかすかに震えていた。

「出来るところまでしか出来ないからな、オマエも厳しくなったら言えよ」

念押しでこう口にすると、コイツはサンキュとオレに礼をのべつつ(てかここで礼を言われる覚えがないのだが)ふわりと笑って

「大丈夫だ、オレはオマエになら何をされても構わないぞ」

ととんでもないことを言ってきやがるもんだから、オレは心臓が一瞬爆発したかと思った。
もうこの一言とコイツの笑顔でオレは完全にテンパった。
半ば……じゃねえ、もう完全なるヤケクソだ。
やってやらあ、ってヤるじゃなくて触るだけだけどな!
とりあえずまずは……そうだキスをしよう、キスが無難だろう。
心内で一人でそうだそうだと頷いて早速口角の上がっているこいつの口に自分の口をあてた。
そしていつもと同じように唇を啄むように吸う。
さっきのオレの想いが伝わるようにした時と同じように何度も何度も繰り返した。
顔の角度を変え、先程した時にオレの唾液(ってストレートでいうとちょっと生々しいが)でうっすら湿っていたはずなのにもうかさつきはじめていたコイツの唇を何度も何度も潤しながら吸った。
テンパったせいもあったし、ちょっと焦っていた所はあったと思う。
さっきよりもちゅばちゅばと液体っぽい音が立ってしまった。
けれど先程との違いなんてその音と横たわっているコイツに覆い被さっている、それだけで(あともししいていうなら触る行為に入る前の触れ合いというシチュエーションか)、他は基本今までのキスと変わらない、そう、さっきと同じようにしている。
しているはずなのに……


20120505
20120507